日本古来の「床の間リメイク」活用法9選

日本古来の座敷飾りの一つでもある「床の間」活用法
日本古来の座敷飾りの一つでもある床の間は、昔ながらある家では主に和室に造られています。掛け軸や生け花などの装飾を施し、その家の特徴をしめすものとされていますが、なかなかうまく活用できていない人も多いのではないでしょうか。ここではそんな床の間のリフォームを検討されている人にぴったりな情報をまとめてみました。
押入れにする
床の間自体、奥行きがあり床から天井までを使用している場合が多いと思います。押し入れにリフォームすることで大容量の収納が可能となり、布団や扇風機、暖房器具などの季節ものの器具等収納が可能となります。
クローゼットにする
和室には押入れが基本と思いがちですがクローゼット扉の材質によって和室に合わせることも可能になります。床から天井まで壁一面を使って造り付け収納をつくれば、寝具から衣類や和室に良く置いてある仏壇まで集中的に収納が出来ます。扉を閉めればスッキリと壁のように見えますので、目につく場所に家具を置くより洗練されたイメージになるのではないでしょうか。
畳を交換する
畳を交換する場合は、両面の使用ができる畳であれば裏返して使用することもできますが、一面だけの場合は表面の貼り替えを行うことが出来ます。ただ、使用年数が経っていると土台自体も傷んでいる可能性や、古くてダニなどの温床ともなる可能性があるので畳自体を新しく交換することもお勧めです。
壁紙をはり変える
- 壁紙交換の際は、そのまま和室として使用する場合であれば色見や素材も柔らかい素材を選ぶと統一感もでて和のテイストを崩さず交換することが可能です。
洋室へリフォームする場合は特に制限がないため、壁紙の色から機能性により特徴を把握して選びましょう。
砂壁にする
和室では、良く砂壁を使用している場合が多いですが、経年劣化により砂がポロポロと剥がれてきたらリフォームのサインです。リフォーム後も和室として使用したい場合や、現在使用している風合いを崩したくない場合も同じく砂壁にすることでなじみのある雰囲気でリフォームすることが出来ます。砂壁には吸湿効果や匂いを吸収する作用があるので、機能性は変えたくない場合は砂壁に再度リフォームすることをお勧めします。
珪藻土で塗装する
珪藻土の特徴も、砂壁と同じで吸湿に非常に優れているので空調効果もあり、もちろん和の風合いも保てるのでお勧めです。リフォームを行う場合は、元の壁を崩してベースを作る作業や、壁紙等を剥がして塗り直しになることが多いため、多少の期間を設けておきましょう。
天井の壁紙を変える
- 良く見る和室の天井は、木材を使用した素材が一般的です。経年劣化により、くすみや汚れが出てくるとそれだけでも空間の印象が暗くなってしまいます。清掃により改善することも可能ですが、現在では木目調のクロスも多く販売されているので和室を明るく保つこともでき、費用も抑えるとこが可能です。
- また、和室には天井の板が落下しない様に支える部材があり、竿縁(さおぶち)と呼ばれています。建物により設置の有無ありますがクロスへ張り替えの場合、この竿縁を一度取り外して行います。
和室としての雰囲気を変えたくないのであれば再度竿縁を設置することで大幅にイメージが崩れることはないので活用してみてはいかがでしょうか。
床張りに変える
和室から洋室にリフォームする場合、床の間自体を変えないと一体感が生まれません。種類もありますが、床の間は畳を敷いている床より数センチ高く作られている場合もあります。この高さを撤去してフラットな状態にすることが必要です。板張りに変える場合は床の間がある場所をどのように利用するか検討のうえリフォームを行うといいでしょう。
書斎に変える
床の間自体を使用していない場合、デッドスペースとなってしまい、空間がもったいなく感じてしまいます。そこで、書斎に変えることで有効活用することも可能です。書斎といっても、床の間のサイズに合った机を置いたり、床の間自体にカウンターを設置してパソコン作業を行う等の少ないスペースではありますが自分だけの空間を作ってみてはいかがでしょうか。
「日本らしい繊細さ」「欧米のスタイリッシュさ」を兼ね備えた「和モダン」のポイントは?
和モダンテイストとは、一般的に日本らしい繊細さと欧米のスタイリッシュさを兼ね備えたスタイルを指します。生活スタイルやインテリアも欧米風の家具が多数販売されており、家の中も洋風のつくりのものが多いと思います。
ただ、全てフローリングにして洋室にするより和室の畳の雰囲気も楽しみたい方も多いと思います。和モダンテイストにすることで家全体に一体感を持たせ、和の風合いを持たせることも可能です。ここでは和モダンテイストにするために抑えておきたいポイントをご紹介していきます。
色味を重視する
昔から使用されている和室は、ホワイトやベージュ、ライトグリーンをはじめとする淡い色で構成されています。主にアースカラーといわれる、植物本来の色をそのまま使用しているカラーの種類のことです。そこにあえてブラックやブラウンなどの濃い色味であるビビッドカラーを加えることで、今までにないメリハリのあるスタイリッシュな空間に生まれ変わります。
床柱を設置しない
床柱とは床の間を囲うようにして設置された化粧柱のことです。純日本風の床の間は、この床柱を設置するのが基本とされていました。モダンな印象に変えるために、あえて床柱を使用しないことにより床の間の重厚感を減らすことが出来ます。
他の部屋との一体感を生む
床の間自体を現代的なテイストに変えることで和室全体もスタイリッシュな雰囲気となり、洋風の家の中にも違和感なく和室を設置することが可能になり一体感が生まれます。最近では、昔からある畳のような「畳の目」といわれるものがない正方形の畳もあり、モダンテイストに変えたい場合の雰囲気作りにぴったりのアイテムもあります。カラーも豊富で、素材も天然素材ものからポリプロピレンなどを使用した素材もあるので、自分に合ったものを確認してみましょう。
収納スペースにするメリットは?
使用する機会が少ないけれどそのままにしておくのはもったいないという場合は、思い切って収納スペースとして活用するのもいいでしょう。収納スペースを作る上で検討しなければならないことが、今後も和室として利用するか、洋室にリフォームしたいかがポイントとなります。
居室と区切りやすいエリアである
そもそも床の間は一段高い場所に造られることが一般的なので、通常の居室と仕切り区切りやすいエリアとなっています。和室のままリフォームする場合は、床の間にだけ手を加えて一角だけリフォームしてみるのも良いでしょう。この場合は、小物等の収納棚として使用するのがお勧めです。
見せる収納として使える
あえて見せる収納として変えることにより、おしゃれな収納スペースとしてインテリアとしても活用することが可能です。扉が付いていないオープンタイプの収納棚を組み合わせて壁一面を収納棚にすることもできますし、ボックスをちぐはぐに配置させてもいいでしょう。
和室の印象が変わる
収納場所を確保することで、目に見える空間をスッキリさせ、床の間を変えるだけでも、和室全体の印象が変わるので和室の中に収納スペースを作るメリットと言えるでしょう。床から上げて上部に棚を吊り下げることで圧迫感も感じず、下の空間を活かせる両方良いとこ取りのスタイルになっています。
大容量の収納ができる
床の間をクローゼットに変えることもできます。すでに居室と床の間の間に区切りがあるため、ここに引き戸を設置するだけで簡単に収納スペースとして利用することが可能です。床の間は奥行もあるため、大容量のクローゼットに変身させられ、着丈のあるロングコートやゴルフ用品などの長さ、高さのあるものの収納もでき大きなメリットとなっています。
書斎にもできる
リフォームの種類として「書斎に変える」項でも紹介しましたが、区切られた空間なので、自分のニーズに合ったレイアウトにより自分だけの癒しの空間や、集中したい作業を行う場合に最適ではないでしょうか。
まとめ
本来は昔から神聖な場所として、お客様をもてなす際に花や掛け軸を飾り、その家のカラーを強く象徴していた床の間ですが、近年では和室の利用頻度やデザイン性も大きく変わり、リフォームをすることでその活用の幅を大きく変えることが可能です。
- ・現在の状態のまま床の間だけ変えるの
- ・和室ごと和モダンにリフォームする
- ・和室をまるごと洋室にする
・床の間を収納、書斎、インテリアとして活用する等の用途を決める
このポイントを抑えることで、自分の生活に合わせたリフォームを行い、床の間を上手に活用するスタイルを見つけることができるはずです。そしてその選択は数限りなくあると言っていいでしょう。
もし床の間が活躍できていないのであれば、ぜひ自分にぴったりの利用法を見つけてみてください。

WRITTEN BY
HANDIY(ハンディ)
「古いから全部壊して、新しいものを作る」のではなく、住まいにDIYという体験を付加し、感情やストーリーを纏って最適化しながら持続可能な住文化をつくる。
これがHANDIYの目指す世界。