【世界で活躍するギター職人】長野県木曽町でアコースティックギターDIYスクールが開講

DIYでギターを作ろう!School of Acoustic Guitar Making
アコースティック・ギターは、プロ仕様から趣味レベルまで、ピンからキリまで存在するが、値段に関係なく「自分でつくったギター」で音色をだすのを憧れる人は、少なくないのではないでしょうか。
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2018年4月、長野県木曽町で、一風変わったスクール「School of Acoustic Guitar Making」が開講。
講師は、オーストラリアでギター制作を23年間行っているChris Wynne。
オーストラリアのみならず、カナダ、ニュージランド、ヨーロッパなど世界各地を舞台に、アコースティック・ギター作りのスクールを開いており、世界各地に彼のスクールに通いたい人がいるんだとか。
今回も、多くの参加者が海外から足を運んでいました。
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木の王様、木曽ヒノキを使ったDIYギター
今回、木曽町で初開講となったスクールの期間は、2018年の4月15日 – 4月26日の12日間。
長野県木曽郡木曽町の廃校となった小学校を活用した「ふるさと体験館」で行われていました。
この木曽町には、かつてスズキバイオリン社の木曽福島工場があり、ギターの生産地のひとつでありました。
また、木曽で育つ「木曾ヒノキ」は、木の王様とも呼ばれ、姫路城や伊勢神宮にも使われています。
豊かな木材があり、かつてギターの生産地でもあった木曽だったからこそ、今回ギタースクールが開講されたのでしょう。
もちろん、今回のギタースクールでも、木曽地域のヒノキを使用してギター作りが行われていました。
[instagram url=https://www.instagram.com/p/BhYiD-ulaIU/?taken-by=thomaslloydguitars]※機械音が大きいので注意。
DIYギターの工程
ギター作りの様子をご紹介すると、まずは、表板・裏板とかんなをかけて木の厚さを整えていきます。
表板の加工は、ギターの音色を決める大事な工程です。
また、裏板は2枚の板を真ん中でつなぎ合わせて作ります。
2枚が左右対称になるように丁寧に貼り合わせ、かんなをかけ、段差がなくなるよう滑らかにしていきます。
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また板の裏側には、力木を貼り付けていきます。
力木は、薄い表板にかかる弦の振動を受け止め、きれいな音色に帰るための伝導体であると同時に、ギターが壊れないように支える仕組みにもなっています。
この力木のつける位置、削り方は職人によって違いますが、教室ではそれぞれ用意された型を参考にしながらつくっていきます。
ギターのサイドにある側面板は、平の板にかんなをかけるだけではなく、型通りに曲げていく作業がでてきます。
側面板は、曲げる前に水分を十分に含ませることで、曲げやすくしておき「ペンディングアイロン」をつかって曲げていきます。
「ペンディングアイロン」は、作業台に工程して使い、手軽に曲木細工ができるため、ギターの胴部つくりではかかせない。
図面と照らし合わせながら、ゆっくりと力を加えて曲げていきます。
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側面板にカーブがついたら、型にいれて作業をすすめていきます。
側面板の内側から当て木をしながら、型枠と側面板にすきまができないよう、クランプでしっかりと留めて形を整えていきます。
またギターの音色を響かせるのに、大切な穴(サウンドホール)を表板にあけていきます。
今回、穴あける作業で使われているのは、ロータリーツールの「ドレメル」。
先端工具を変えることで、多様な加工に用いることができます。
ただ穴をあけるだけであればサークルカッターなどでも可能です。
また、穴の周りには、自分で選んだデザインのロゼッタをつけれるので、「自分だけのマイ・ギター」に一歩ずつ近づいていきます。
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ここまでくると完成するギターの形が少しずつ見えてきます。
表板、裏板を側面板につけてゆき、歪みに注意しながら感覚があかないようにクランプで留めていきます。
表板、裏板の装着が完了すれば、残りのネック・弦をとりつけていき、完成です。
最後の工程は、飛ばし気味のご紹介になってしまいましたが、実際にスクールに通いながら作ってみたいという方は、ぜひ受講情報をチェックしてみてくださいね。
2018年であればオーストラリアで、2019年にはフランスで2週間のコースがご用意されています。
サイト: http://thomaslloydguitarstlg.com.au/index.html
もちろん、ギターの製作方法は、今回ご紹介した以外にも様々な方法があります。
スクールには通わず、自分でDIYしたい方のために、アコースティック・ギターの作り方を丁寧に紹介してくださっているホームページもあります。
サイト: https://guitar–parts.net/index/making.html
ざっくりとした工程は、一緒ですが、各工程をさらに細かく分解して、丁寧に紹介してくださっています。
作業時間の目安も書いてあるので、ご自分でイチから作りたい方はぜひ、こちらをご参考にしてみてください。
また、もっと手軽にギター作りを楽しみたい!という方向けに、HOSCOさん発売のアコースティック・ギター組み立てキットもあります。
最初からDIYというよりは、組み立てキットになってしまいますが、ギターの構造もしれて、出来上がっていく工程を体感できるのは、面白さがありますね。
【参考】Source: http://www.hosco.co.jp/japan/products/hosco_kit-gtr.html
ぜひ、ご自分にあった方法でそれぞれの「手作りアコースティック・ギター」を楽しんでみてください!

WRITTEN BY
HANDIY(ハンディ)
「古いから全部壊して、新しいものを作る」のではなく、住まいにDIYという体験を付加し、感情やストーリーを纏って最適化しながら持続可能な住文化をつくる。
これがHANDIYの目指す世界。