【野外DIY実践術】ひと目惚れして作った野外用火鉢テーブル

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今回は、野外DIYの醍醐味、火を楽しむDIYの中から「野外用火鉢テーブル」の記事をダイジェストで紹介します。

【実践ガイド】ひと目惚れして作った野外用火鉢テーブル

きっかけは、外国の雑誌で見た「HIBACHI TABLE」だった。ネーミングからわかるように、日本の火鉢にヒントを得て作ったテーブルだと思うが、板材を横にして立てて並べ、すき間を作ってつなぎ、センターに囲炉裏のような火床が作ってあった。火床部分と板材との断熱をどうするかがポイントで、これさえクリアすれば、作るのはそれほど難しくないと思った。なによりも、デザインが面白かった。天板の板(2×6材)を立てて使うという発想が素晴らしかったし、すき間を作ることで日本の町家の縦格子窓のような和風モダン的な味つけが加わって、ひと目で気に入ってしまった。これを作りたいと思った。

ポイントは、立てて並べた板材のすき間を均等にしてどうやってつなぐかだ。まず、天板に使う2×6材に穴(12㎜径)をあけ、3/8インチ径の全ネジを4本通すことにした。さらに、材と材の間に幅10㎜にカットした塩ビ管をスペーサーとして入れ、均等なすき間を作る。これで天板はOK。

次のポイントは火床部分の断熱をどうするか。予算があるなら、銅板とか陶芸用の耐熱セラミックなどを使いたいところだが、コスト的にややつらい。そこで、ケイカル板(5㎜厚)を張った上から、耐火キャスタブル(左ページ参照)を炉床と炉壁に塗る(10㎜厚程度)。で、最後に炉縁にアルミアングルを取りつけて完成…のはずだった…。

だが…!

火鉢テーブルが無事完成し、いつものとおり、人を呼んでの披露の儀。火床には灰が入れられ、赤熱した炭がじゅうじゅうと肉や魚を焼く。「この手があったんですね」などの賞賛の嵐の中、みんなすっかり満足し、シアワセの表情で帰路についたあとだった。

ふと気がつくと、火床からブスブスと煙が上がっている。炭が不完全燃焼しているのかなとそのときは気にしなかったが、煙が徐々に勢いを増してきてからあわてた。なんと炉床が熱くなりすぎて、底板のOSBが焦げ始めていたのだ。底板をはずしてみると、耐火キャスタブルにかすかなヒビ、さらにケイカル板にも焦げ目とヒビ割れが出ていたのだ。

そこで、ケイカル板をさらにもう1枚下から追加、また、耐火キャスタブルをもう10㎜ほど塗り足し、事を収めた。結局、ほかの部分の反省も含め、わかったことをまとめてみると次のようなことになると思う。ぜひご参考に。

  • ●耐火キャスタブルは少なくても15㎜以上の厚さに塗ること。
  • ●ケイカル板は5㎜厚では薄すぎ。 12㎜厚にすること。厚いケイカル板が入手できない場合は、重ねて使用すること。
  • ●炉縁にアルミアングルを使ったが、使用中は、触ると火傷をするぐらい熱くなる。少し焦げることを覚悟して、囲炉裏の枠などに使う硬木にするなどの方法を考えたほうがいいかも…。
  • ●天板のすき間のスペーサーは、塩ビ管を輪切りにしたものを使ったが、ナットを使うという手もある。
  • ●底板のOSBは9㎜では薄すぎ。24㎜厚にすること。

耐火キャスタブルとは…?

火床の内側に使った資材は、耐火キャスタブル、あるいは耐火コンクリートとも呼ばれている、セメントと同じように水を加えて硬化する資材。耐火骨材と耐熱性が高いアルミナセメントを混合したもので、高温に耐えられる性質を持っている。後述するようにDIYでピザ窯を作るときの画期的な資材でもある。大型のホームセンターで扱っていることもあるが、ネットでも簡単に購入できる。いくつかの商品があるが、ここではAGCセラミックスの「アサヒキャスターCA-13T」を使った。(写真は、アサヒキャスターCA-13ST)

木取り&材料加工表

作り方/天板を組み立てる

  • 2×6材をカットする。スコヤをガイド代わりにあてがうと正確にカットできる。

 

  • 立てて使う天板の材の間に挟むスペーサーは、全ネジが通る穴があいている塩ビ管を利用した。幅を10㎜に設定にしてカットする。

 

  • 天板に使う材に全ネジを通す穴をあける。ジグを材にあてがい、ジグの穴を通して、ドリルで穴をあける。

 

  • 全ネジ(3/8インチ径)は、ディスクグラインダー(金属用切断砥石装着)で、簡単にカットできる。

 

穴あけが終わっている天板の材に全ネジを通す。天板の材と材の間に塩ビ管のスペーサーを挟むことを忘れないように

  • ネジが通ったところで、10㎜のレンチでナットを締めてしっかり固定する。

4本の全ネジが通った。これで天板部分が終了。ナットからはみ出たネジ部分をディスクグラインダー(金属用切断砥石装着)でカット。

作り方/火床を作る

炉の内側に枠板(1×6材)を取りつける。短い天板の木口をふさぐようにビス打ちする。これで天板の固定もしっかりする。

枠板が付いた。ただし、天板より9㎜はみ出させて取りつけてあることに注意。これは9㎜厚のOSBが底板に付くため。このはみ出し分はあとでカットすることにした。

  • 天板をひっくり返し、底板(OSB)を取りつける。下地が厚みの薄い1×6材なので、細ビスで打ち留める。

 

耐火キャスタブルの重さで底板が落ちないように、念のため、底板の下に、補強板(3枚の2×6材)を取りつけた。

  • 先ほど、取りつけた1×6材の枠板のはみ出し部分をノコギリでカット。さらに、カンナやヤスリで枠板の縁を削り、平らにならす。

  • 丸ノコでカットしたケイカル板(5㎜厚)を内側(底&側)に張る。割れやすいので、取りつけは38㎜の細ビスで。

 

  • 念のため、耐火キャスタブルが接着しやすいように、ケイカル板の表面に塗り壁用のプライマーを塗った。塗り壁用のプライマーは ホームセンターなどで市販されている。

 

耐火キャスタブルに水を加え、よく練る。モルタル作りと同じ要領。耳たぶ程度の固さに練る。

仕上げゴテで、ケイカル板の表面に耐火キャスタブルを塗っていく。プライマーを下塗りしたおかげで、接着は意外に簡単だった。また、天板部が汚れないようにしっかりと養生して作業を進めること。

耐火キャスタブルを塗り終わった。これで半日以上乾燥させれば、カチカチに固まる。

  • 耐火キャスタブルが固まったら、火床の縁部分を40㎜幅のアルミアングルで縁取る。これは木部の保護とデザイン的な効果のため。カットは、金属用切断砥石を装着したディスクグラインダーで簡単にできる。サイズは取りつけ位置にあてがって墨つけして決めた(現物合わせ)。

アルミアングルの取りつけ。3㎜径の金属用ドリルビットで下穴をあける。

打ち込むビスの頭が飛び出ないように、皿取り用ビットで、下穴を皿取りする。ここでは木工用のビットを使ったが、アルミがやわらかいせいか、問題なくあけられた。その後、ビス打ちする(45㎜の細ビスを使用)

  • 2本の枕木の上に天板を載せれば、火鉢テーブルが完成。あとは灰を入れ、炭を入れ、網やゴトク(五徳)を置けば、野外用の火鉢テーブルになる。

 

著者:脇野 修平(わきの・しゅうへい)

1948年、千葉県市川市生まれ。オフロードバイク誌『ガルル』創刊プロデューサー、オートキャンピング誌『ガルヴィ』創刊編集長などを経て、1997年にDIY誌『ドゥーパ!』を創刊し、長く編集長を務める。現在は週末里山暮しを実践するフリーライター&エディター。

※作り方等は、一部を抜粋してご紹介しております。書籍では、作り方の全工程、火鉢テーブル上面図や断面図なども掲載しております。

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