鉄筋で作る本棚をDIY!製作工程と溶接のポイントは?

山下ユキマル
山下 ユキマル 

ライター:山下 ユキマル

京都のオフィスと四国の剣山麓(標高1500m)にあるオフィスを行き来する「デュアルライフ」フリーライター。美術大学を卒業後、デザイン事務所や広告代理店などでクリエイターとして活動、現在フリー。只今、剣山麓のオフィスを新しく作りかえる計画の進行中。ちなみに剣山麓のオフィスには大容量高速光ファイバー回線が整備されているので京都オフィスよりも作業がはかどる。

最近はネットで得られる情報だけではなく、本や自身の体験から得る厚みのある情報が求められるようになり、よりリアルな体験にもとづいたコンテンツが必須です。そのため、本を読んでインプットする時間が欠かせなくなってきました。 

しかし、長い間、本を読まない生活を送ってきたせいか、いざ本を読もうと思っても読む場所がない。まずは、本が読める生活環境を整える必要があります。それで、ゆっくり腰かけて読書ができるソファを導入しました。 

ソファから手を伸ばしたところに本棚がほしい。ちょうど、部屋の南東角に柱があるため窓とソファの間にデッドスペースがあります。ここにピッタリはまる本棚がベストです。 

ところが、ここにピッタリはまる本棚がなかなかみつかりません。市内の家具店を回り、ネットでも探してみましたが、結局ピッタリサイズの本棚は見つかりませんでした。ならば、自分でDIYしちゃえ!ということになりました。  


■鉄筋本棚の必要部材 

今回の本棚の部材は鉄筋と板だけです。とてもシンプルな構造なので1日あれば完成します。金属を溶接してフレームを作りから。軽くてシンプルでありながら重さに耐える頑丈な構築物が作れるところが溶接の最大のメリットです。 

 頭の中でイメージしたものをメモしてみよう!

簡単な設計図兼完成予想図のようなものをメモしてみました。構造はいたってシンプルです。直径9㎜の鉄筋でフレームを作り、あとは棚板をはめるだけ。 

ソファと窓の間にできるデッドスペースの寸法を慎重に測り、ソファとの兼ね合いで使いやすい高さになるように棚板の位置を計測。照明を置く場所や手を伸ばしてすぐに本がとれるかどうか、距離を測定しながらサイズを決めました。 

ホームセンターに行けばさまざまな太さの鉄筋がありますが、好きな長さにカットしてもらえる所もあるのでDIYには最適。今回は直径9㎜の鉄筋を溶接してフレームを作ります。ホームセンターのサービス窓口で寸法を書いたメモを店員さんに渡してカットしてもらいました。棚板もカットしてくれます。  

■危ない!溶接で気をつける6ポイント 

溶接は火気を使用するので周囲に燃えやすいものがないか注意して作業するようにしましょう。作業の際には電気を通さない皮手袋を着用して、作業服は燃えにくい木綿素材を選ぶようにしてください。 

溶接時の高熱に注意 

カットしてもらった鉄筋と板を持ち帰り、あとは溶接機で溶接します。溶接するとき部材は1000℃近い高熱になるので、必ずレンガかまたは耐火レンガを下に敷いてその上で溶接作業をするようにしましょう。 

火花に注意 

溶接作業中に火花が飛び散って火事になる恐れがあります。溶接作業をする際には近くに燃えやすいものがないかしっかり確認することが大切です。作業着の素材は燃えやすいポリエステルやビニル製のものを避け木綿にしてください。 

感電しないように注意 

溶接作業では感電する危険があります。必ず皮製の溶接用手袋を着用しましょう。また、厚底の電気を通さない靴を履くことも忘れないようにしてください。 

目を保護しよう

溶接の火花を直接肉眼で見ないようにしてください。必ず遮光面をして溶接作業をしましょう。両手を使う場合は、遮光面が使えないのでサングラスを着用してください。 

有害物質「金属ヒューム」を吸わない 

溶接時に発生する煙を吸い込まないように風通しの良い場所で作業をするようにしてください。溶接時に発生する煙には金属ヒュームという有害な物質が含まれています。溶接用のマスクを着用すると安心です。 

騒音を出さない工夫 

今回の棚サイズ程度の溶接作業でしたらベランダでもできます。ただし、隣近所に迷惑ならないように作業する時間帯を考えましょう。 

グラインダーなどで削るときにはけたたましい音が出ます。できるだけグラインダーでの作業工程がないように工夫するようにしてください。 

例えば、本来ならばグラインダーで行う鉄筋をカットする作業ですが、ホームセンターのサービスカウンターでカットしてもらうとその工程が省けます。またカットしたらコンパクトになるので持ち運びが便利です。ちなみに私は地下鉄を利用して材料を持ち帰りました。  

■溶接機と溶接用材の選び方 

溶接機は家庭用100Vタイプがオススメです。三相交流で使用する職人用の溶接機は使える場所が限られてくるのでオススメできません。 

溶接機の選び方 

ホームセンターには溶接機や溶接棒、溶接に必要な遮光面や皮手袋などすべてそろっているので、溶接を考えている方は、店員さんと相談するといいでしょう。私がオススメする溶接機は家庭用の100Vで使用できるタイプです。 

溶接機には三相交流といって工場用電源で使用するタイプのものと、家庭用の100Vで使用できるものとの2つがあります。どこでもすぐに溶接作業ができる家庭用の100 Vタイプの溶接機がオススメです。 

100 Vタイプの溶接機でもインバーターを内蔵しているのでとても高出力。業務用の溶接機にひけをとらない機能を備えています。画像の溶接機は筆者愛用のメカです。空冷タイプなので長時間連続して作業できます。 

溶接の選び方 

溶接棒は一般鋼材用では「IS-B3」(直径:1.6mm)がオススメです。画像左側の溶接棒はステンレス用です。家庭用100Vの溶接機で使用する溶接棒の太さは1.5mm~2.5mm程度がいいでしょう。 

ホームセンターにはいろいろな溶接棒があるので自分で使ってみて使いやすい溶接棒の型番をひかえておくようにしてください。 

上手に溶接する4ポイント 

溶接する部材をペーパーやすりなどで掃除しておくと上手く溶接できます。はじめて溶接作業をするという人は、あらかじめ余った部材で練習してから本番に臨むと良いでしょう。1時間ほど練習すれば溶接できるようになるはずです。  

アーク溶接機(家庭用100Vで使用できるタイプ) 

溶接する材料の汚れや油分を取り除いておく 

溶接する面をペーパーやすりなどでキレイに掃除しておくと、スムーズに溶接作業ができます。 

電圧を上手に調節する 

電圧が高すぎると部材が溶けてしまってうまく溶接できません。逆に電圧が低すぎても部材や溶接棒が溶けないので溶接ができません。ちょうど良い温度に調節して部材と溶接棒が適度に溶けて接合するようにしましょう。画像の溶接機のコントロールパネル左上にある黒いダイヤルが電圧調整です。 

2つの部材を溶かして、つなぐイメージ 

溶けた溶接棒が双方の部材を溶かしながら互いを接着させるイメージで作業すると上手に溶接できます。熱で双方の部材を溶かした部分に溶けた溶接棒を流し込む要領です。はじめての方は、余った部材で溶接作業の練習をしてみましょう。1時間ほど練習すれば上手に溶接できるようになります。 

溶接した部分の掃除 

溶接した部分には被覆溶接棒の被膜が溶けてカサブタのようなものが付着します。このカサブタをマイナスドライバーや先のとがった道具でたたいて取り除くようにしてください。 

■製作工程 

鉄筋を溶接してフレームを作り、そこに板をセットするだけ。 

用意するもの】

・鉄筋と板(ホームセンターで寸法を測ってカットしたもの)

・アーク溶接機(100Vタイプ)

溶接機の一方の端子を溶接する部材につなぐことで、溶接棒から部材に電流が流れて溶接ができる仕組みです 。

・溶接棒 

・燃えにくい木綿の作業着 

・耐火レンガ(10枚ほど)

・溶接用の皮手袋

・溶接用のサングラス

・溶接用の遮光面

フレームの溶接作業は、どうやるの?

ホームセンターから持ち帰った鉄筋を溶接していきます。溶接をするときには必ず耐火レンガかレンガを下に敷いて作業してください。  

部材と部材を溶接するときには、直角がわかる指矩(さしがね)を用意して角度を正しく測りながら作業を進めます。 

溶接箇所の作業が終わったら、第一ステップは終了。

今回は鉄の素材が持つテクスチャーを生かすためにあえて塗装しませんでした。

もし、鉄錆びが気になる方はスプレーペイントを噴霧して塗装しましょう。塗装する際には布巾などで鉄筋表面の汚れや油分をふき取ってください。  

床との接点には木材がオススメ 

フレームの溶接作業が終わったら、床との接触面にゴムと板をはさみます。なぜ木製の板をはさむのでしょう。ゴム素材はフローリング材と化学反応を起こして黄色く変色させる恐れがあるからです。特に塩化ビニル製のフローリングは変色しやすいといわれています。 

木製のフローリングでしたら問題ありません。フローリング素材に何が使用されているかわからない場合は木製の板をはさんでおくと安心です。  

棚板を取り付ける 

フレームの溶接作業が終わり、床との接地面にクッション材を取り付けたら、あとは棚板をセットします。寸法を測ってカットしているのでピッタリと納まるはずです。 

棚板を取り付けたら、完成 !

ソファと窓の間のデッドスペースにピッタリ納まる本棚が完成しました。洋書など重量のある本にも耐える頑丈な本棚です。しっかりとした構造でありながら軽くて持ち運びにも便利。鉄と木材を組み合わせることでこれだけの耐久性と軽量化が実現しました。  

■あまった鉄筋で読書灯もDIY

鉄筋が少しあまったので読書灯も作りました。自在鉤(昔の囲炉裏にあった)の原理で鉄筋部分を照明が上下にスライドして自然に固定できる仕様です(高さ調節自由自在)。 

台座部分には無垢材(ケヤキ)を使用しています。良いケヤキの香りがしてリラックス効果も期待できそうです。重たい無垢材なのでブックエンドとしても活躍しています。 

読書灯の各パーツ

鉄筋でつくる本棚DIYまとめ 

今回は、鉄筋と板だけで本棚をDIYしました。ポイントは5つです。

  1. ・鉄筋はホームセンターでカットしてもらえます(板もホームセンターでカット)。
  2. ・自宅ではできるだけ騒音を出さないように工夫しましょう。
  3. ・溶接機は家庭用の100 Vタイプがオススメ。
  4. ・溶接するときは周囲に燃えやすいものがないか確認して下に耐火レンガなどを敷いて作業しましょう。
  5. ・作業服は燃えにくい木綿がオススメ。

使わない場合は、ローテーブルとして利用 

ちなみにこの鉄製のフレームは横にして天板を置くとローテーブルになります。木製の天板でも良いのですが、ガラス素材がしっくりくるのではないでしょうか。

本棚に限らず、鉄製のフレームを使った家具を、ぜひDIYしてみてください。 

山下ユキマル

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山下 ユキマル

京都のオフィスと四国の剣山麓(標高1500m)にあるオフィスを行き来する「デュアルライフ」フリーライター。美術大学を卒業後、デザイン事務所や広告代理店などでクリエイターとして活動、現在フリー。只今、剣山麓のオフィスを新しく作りかえる計画の進行中。ちなみに剣山麓のオフィスには大容量高速光ファイバー回線が整備されているので京都オフィスよりも作業がはかどる。

おかねのはなし

塗るものを選ばないチョークペイント

塗るものを選ばないチョークペイント