古き良き街並みと新しい発想が調和しているコンテナハウス

この美しいコンテナハウスは建築家クリストファー・ノーグレイの作品です。
コンテナというと街並みに合わないのでは?と思いますが、美しい街並みと調和した居住空間を構築することに見事に成功しています。
この建物のコンセプトで感じた事が多々あります。
かつて数寄屋造りのお茶室が尊ばれた時代、シンプルであることは美徳とされた時代がありました。
しかし、いつしか家は人生の成功度をはかるバロメーターのようになり、権力やパワーの象徴、大きいことは良いことであり、大きいことは立派なものの勲章であるかのように大きさだけを追求する風潮に陥っています。
そして、この傾向のとどのつまりが数値でしか価値観がはかれないという虚しい状況です。
満足度の尺度が、物質的豊かさだけではない時代になっているのに気づき始めている人も多いと思います。
そんな中、一つの手法として数寄屋建築の美しさをコンテナでも表現できないものか?
その可能性を示してくれるのがこのコンテナハウスです。
シンプルで値段も安価なコンテナを組み合わせることで、街並みに見事にあったモダンな風景を生み出すことに成功しています。
シンプルで格安の家は欲しい。でも街並みに調和しないチープな風景は作りたくないと考える人も多いでしょう。
このコンテナハウスは、そのような危険性を逆手にとって古い街並みにメスを入れるがごとくに斬新な景観を出現させました。
地域や景観を作るには長い年月が必要です。
街並みによって地域の風紀も変わるし人も変わる。
古き良き街並みと新しい発想をいい塩梅で取り入れる事ができる街づくりは、世界の未来にとって新たなベンチマークとなるでしょう。
Via:Archdesignclub

WRITTEN BY
HANDIY(ハンディ)
「古いから全部壊して、新しいものを作る」のではなく、住まいにDIYという体験を付加し、感情やストーリーを纏って最適化しながら持続可能な住文化をつくる。
これがHANDIYの目指す世界。