3Dプリンターでできた家&車が示すエネルギーの未来形「AMIE」とは
車と家は別々のもの?
その既成概念を変える研究が進んでいます。
いま太陽光発電住宅から電気自動車へのエネルギー供給は、すでに実現されています。
でも、完全に電力会社からの電力なしで暮らしていけるでしょうか?
その独立した2つのエネルギーが相互通行になれば、建物と車両、交通機関の総合エネルギーシステムに新しい答えが見えてきます。
オークリッジ国立研究所のエネルギー部門による、その新エネルギー供給システムの試み、「AMIE」(付加的製造集積エネルギー)がこのほど発表されました。
昼は家からクルマへ、夜はクルマから家へ
この建物の屋根には3.2キロワットの太陽電池が並べられています。
太陽光による電力は家と車どちらの方向にも流れることができ、家と車の双方はワイヤレスで接続されています。
昼は家の太陽電池から車へ、夜は車から家へ電力が供給され、ケーブルなしでお互いのエネルギーを補助しています。
今のところ電力会社の送電網にも繋ぎ、車両には天然ガスも使用されています。
しかし将来的には、これら化石燃料を使わず、環境に配慮した再生可能エネルギーのみでの運用が目標です。
家&クルマ どちらも3Dプリンターで作成
エネルギーがお互い行き来できることが大きな特徴ですが、次に注目したいのが家と車どちらも3Dプリンターで作成されていることです。
今回のデモンストレーションでは、工場の大規模3Dプリンターで作成された19.5㎡の住宅と、2人乗りで天然ガスとのハイブリット電気自動車が披露されました。
また、住宅は薄くて軽く高い断熱材を使用した積層パネルなど数々の工夫を積み重ねて作成されました。
3Dプリンターとソーラー発電の組み合わせで、さらなる環境へのローインパクトを実現しています。
オフグリットシステムの実現
近年、電力会社と契約せず、電線をつなぐことのない自家太陽光発電システム(オフグリットソーラー)の住宅が、日本にも徐々に出来始めてきました。
オークリッジ国立研究所による研究が進化すれば、スピーディにつくられた車と住宅によって完全な自家発電を実現し、その更なる普及が期待できます。
そしてその先には、個々の住宅だけの問題ではなく、国単位でのエネルギー問題の解決策に繋がるでしょう。
これからも、3Dプリンターと再生可能エネルギーの未来に大注目ですね!
Via:designboom,ornl