【これが21世型テーブル】エアコン消費電力を30パーセント削減可能

環境・エネルギー問題解決の一つ
パリの二人のデザイナーが、たくさんのエネルギーを必要とするエアコンを使わずに室温を一定に保つ理想のオフィステーブルをつくりました。
二人は環境汚染の元凶の一つである「エアコンを使わなくても、空調することのできる良い方法」があると考えました。
「気候問題とエネルギー問題に、家具のレヴェルで取り組むことが可能かどうかを知りたかったのです」と、デザイナーのジャン=セバスチャン・ラグランジュさん。
彼は建築家でエンジニアのラファエル・メナードさんとともに、「Zero Energy Furniture」シリーズの最初の製品を開発しました。
「Zero Energy Table」というオフィステーブルです。
ちょっと見ただけでは普通の木製の会議机のよう。
余った熱を吸収→寒くなると放出
メカニズムは簡単にいうと「余剰の熱を吸収し、部屋が再び寒くなると熱を放出する」のです。
オークの天板の下に隠れたアルミニウムの波板の隙間に塗られた蝋状の相転移素材が、室温約22度を超えると軟化し熱を蓄えます。
室温が22度を下回ると蝋が固まりはじめ、蓄えた熱がアルミニウムを通して、放熱されるというわけです。
家具が室温を調整し、消費電力を30%削減可能
エネルギーを使わずに室温を保ち、しかも家具がそれを担っているというのは画期的といえます。
ラグランジュさんによれば、その結果は室温に明確に表れるようで、最適条件下ではエアコンの消費電力を30パーセント削減できるといいます。
もちろん部屋が常時22度以上であるなら無意味です。
温度変化が大きい場合のみとなりますね。
ラグランジェさんとメナードさんは、熱エネルギーを蓄積して放出するという相転移素材の性質を組み込んだ魅力的なテーブルを作り上げたのです。
高温多湿の夏という季節がある日本では、通年を通してこのテーブルが役に立つというわけにはいかないかもしれませんが、このようなコンセプトが、今後エネルギーを使わずに快適に過ごすためのアイディアの素になっていくといいですね。
なお、Zero Energy Tableの販売開始は2015年内を予定しているのだそうです。
Via:zef-design

WRITTEN BY
HANDIY(ハンディ)
「古いから全部壊して、新しいものを作る」のではなく、住まいにDIYという体験を付加し、感情やストーリーを纏って最適化しながら持続可能な住文化をつくる。
これがHANDIYの目指す世界。